第28回HAB研究機構学術年会

ご挨拶


第28回HAB研究機構学術年会 ベストポスター賞受賞者
第28回HAB研究機構学術年会のベストポスター賞は、以下の3件が選考されました。
受賞題名、報告者名(筆頭発表者)、所属は以下の通りです。ベストポスター賞を受賞された皆様、おめでとうございます。

第28回HAB研究機構学術年会
学術年会長 楠原洋之

1st prize P18
受賞題名:HLA多型依存的な薬物毒性のリスク評価におけるHLAを導入したケラチノサイトの有用性の検討
報告者名:白柳智弘
所属 :千葉大学大学院医学薬学府 生物薬剤学研究室

2nd prize P03
受賞題名:新規メカニズムのナノ粒子を用いた造腫瘍性細胞の排除に関する研究
報告者名:陳野莉子
所属 :Departmen of Applied Science, Sojo University

2nd prize P07
受賞題名:SReFTによるバイオマーカーを用いたパーキンソン病長期病態のモデル構築
報告者名:神 亮太
所属 :千葉大学大学院薬学研究院 臨床薬理学研究室

第28回HAB研究機構学術年会
学術年会長 楠原 洋之
東京大学薬学部

 この度、第28回HAB研究機構学術年会の年会長を務めることになりました、東京大学大学院薬学系研究科の楠原洋之でございます。
 HAB研究機構は、医薬品開発のあらゆる局面で遭遇する実験動物とヒトとの種差の克服を目指して、ヒト組織の創薬研究利用に多大なる貢献をしてきました。近年、低分子化合物主体の従来型の創薬から、抗体や核酸、細胞へと医薬品としてのモダリティは大きく変遷していますが、いずれのモダリティであっても、細胞や実験動物で収集したデータに基づいて、ヒトにおける有効性や安全性に外挿し、予測確率を向上させることは必要不可欠であり、大きな課題となっています。この課題克服のためのアプローチとしては、新規モデル細胞の利用や培養プラットフォームの開発など新たなin vitro試験系の構築はもとより、実験のアウトカムに対してより精緻で網羅的な分析手法の開発、quantitative systems pharmacologyの考え方に代表される種々のデータを数理モデルを介して統合化し、システムとして生物を捉える方法論の開発など、多岐に渡ります。このような背景のもと、今回の年会ではテーマを”医薬品開発を指向したヒトモデル化への挑戦”と設定し、様々な観点から創薬研究に利用可能な先進的な取り組みを紹介することで、皆さんと今後の展望を共有したいと思っています。
 1日目には、in vitro試験系に関する最近の知見として、モデル細胞系の開発、PK, PD, 疾患バイオマーカーを組み込んだ数理モデル解析について、2日目には、バイオマーカーの医薬品開発における活用法や、より精緻な細胞応答の探索を実現化する先進的な方法論を紹介したいと思います。また、これら各シンポジウムの内容に関連して、アカデミア・海外の製薬企業の先生方から、特別講演も複数お願いをしています。
 なお、昨年の年会の折、昭和大学上條記念館にてオンサイトで開催する旨をご案内していましたが、新型コロナウィルス感染症の状況を鑑み、インターネットを活用したオンライン学会として開催いたします。一般演題の発表・ディスカッション時間も設けたいと考えております。ぜひ、沢山の方のご参加をお待ちしております。




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