【目的】非臨床研究中核病院(非中核病院)では研究支援人材の不足から、質の高い医師主導治験や特定臨床研究を実施する際に、臨床研究中核病院(中核病院)との連携が必要になる場面がある。しかし、中核病院に対する非中核病院の支援ニーズについて詳細は明らかではない。我々は令和4年度AMED研究開発推進ネットワーク事業(乾班)において、非中核病院が中核病院から受ける支援の現状と課題を明らかにするためのアンケート調査を実施した。本発表ではその成果を報告する。
【方法】非中核の大学病院、国立病院機構、静岡県治験ネットワーク参加医療機関等131施設を対象にWEBアンケートを実施した。調査内容は、中核病院との連携状況や依頼方法等とした。調査期間は2019年4月から2022年3月とした。
【結果・考察】計109施設(回答率83.2%)から回答を得た。全施設のうち、「中核病院の支援を受けなかった」と回答したのは78.0%で、主な理由は「依頼する研究がない」、「なにをどのタイミングでどこに依頼すればいいか分からない」、「中核病院が支援業務を行っていることを知らない」等であった。支援を受けなかった施設の中で、70.6%から「今後支援を希望する」と回答があった。また、「日頃から中核病院との連携体制を樹立している」と回答したのは全施設のうち32.1%と少なく、支援を依頼する関係の構築が不十分であると考えられた。中核病院に支援を依頼するにあたり、「共通の手順書等があれば利用したい」と回答した施設が88.1%あり、依頼方法として、「中核病院のHPから簡単に支援相談・依頼ができれば積極的に利用したい」と回答した施設が90.8%、「マッチングサイトのような仕組みがあれば利用したい」と回答した施設が61.5%あり、簡便かつ明瞭な仕組みが求められていることが明らかになった。一方で、「地区ごとに予め決まっていた方がいい」と回答した施設も44.0%あり、非中核病院の中でも研究への取り組みや支援体制は様々であることから、がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院のような複数段階の連携体制も検討すべきであることが示唆された。
【結論】支援依頼のステップを明確にした手順書の作成や依頼方法の簡略化・統一化等によって、中核病院への研究支援依頼をスムーズに行える環境を整備することで、非中核病院を含めた臨床研究の更なる活性化が期待できる。