【目的】非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における直接経口抗凝固薬(DOAC)の有効性に直結するアドヒアランス向上は重要である。我々のSMAP-AF試験(Survey on Medication Adherence to Anticoagulant Drugs and Investigation of Improvement of Medication Adherence by an Educational Program in Non-Valvular Atrial Fibrillation)では、ベースラインのアドヒアランスは高率であったが、試験中にアドヒアランス不良患者がいた。SMAAP-AF試験のアドヒアランス不良者のMI(Motivation Interview)シートを解析することで、アドヒアランス不良のNVAF患者に薬剤師が動機付け面接を改善することを目的とした。
【方法】SMAAP-AF試験で薬剤師が動機付け面接をMIシートに記入した168シートのうち、アドヒアランス不良とチェックした18シートを対象とした。先ず、MIシートで薬剤師がアドヒアランス不良とチェックした患者指導の流れを質的に解析した。次に、アドヒアランス不良者の詳細を把握するため、SMAAP-AF試験での服薬遵守率とMIシートのアドヒアランスを調査した。
【結果・考察】薬剤師からみたアドヒアランスの評価は、感度は良いものの特異度が低く、アドヒアランス不良者の検出が弱いことが示された。薬剤師が服薬順守率を正確に患者から得る必要性が示唆された。次に、観察期に服薬遵守率が90%未満の23名のうち、MIチェックシートでアドヒアランス不良とされた11名の介入期での服薬遵守率が90%未満の4名は、アドヒアランスの平均が65.4%とアドヒアランスが低いままであった。当該4名に対し、副作用の説明はなされていたが病気や治療の目的、効果についての話が少なく、患者に提示した解決策が技術的なことであった。動機付け面接法により、薬剤師はアドヒアランス不良者には原因を聞き、その解決策を指導していたが、その解決策がアドヒアランスに十分寄与しない可能性がある。
【結論】今後、副作用の把握ばかりではなく、脳梗塞の再発予防や薬の効果といった患者の服用する目的を認識させることにも重きを置くことが重要である。