【目的】VRセラピー(Virtual Reality Therapy:VRT)は,デバイスとコンテンツ,そして一定の空間さえあれば簡便に実施可能な利便性をもつなど,セラピー実施上の制約をほとんど受けない長所がある。また,うつや認知症患者を対象とした研究においてポジティブ感情の向上,ネガティブ感情の低下を主とする気分改善効果があり,心疾患患者を対象とした研究では自律神経系活動の改善効果がみられるなど,一定の効果を有することが示唆されている。VRTは比較的歴史が浅く,実証的な研究の数が限られているものの,研究結果に関する内的妥当性(Internal Validity)は一定水準確保されていると考えられる。だが,その効果の一般化可能な程度(つまり,外的妥当性:External Validity)についての知見は,まだ不足している。本研究では今までのVRT研究をメタ分析によって統合し,効果の一般化可能性について検討する。【方法】PubMed,MEDLINE,J-STAGE等のオンラインデータベース,そしてGoogle Scholarから,virtual,reality,therapy,mood,emotion,affect,autonomic nervous systemを検索条件で文献検索を行った。検索条件に該当した文献のうち,VR,AR(Augmented Reality),MR(Mixed Reality)を使用した研究,そして検定統計量を忠実に記載した研究のみを選定した文献をメタ分析の対象とすることとした。メタ分析ではCohen‘s dを分析の効果量とし,変量効果モデルによる効果の推定を行った。