現在、国立精神・神経医療研究センターの小居先生を代表者として、臨床研究中核病院以外(以下「非臨中」という)の医療機関におけるQMS/RBA実装に向けた取り組みを進めている。本取り組みは2022年度よりAMED事業に採択され(以下「AMED小居班」という)、臨床研究中核病院および非臨中に所属する研究実施者・支援者の他、PMDAや日本製薬工業協会、各種関連学会等の協力を得て、治験から臨床研究まで広く全体を網羅できる体制で協議・検討を行っている。昨年度は「地域、疾患領域、臨床研究者・支援専門職ネットワークを活用した、QMS の実装に向けたRBA の概念に関する研究者及び研究支援者への教育資材の作成に資する研究」と題し、非臨中のQMS/RBAの実態の把握(アンケート調査)、非臨中を対象とした教育資材の検討、研修会の開催、教育資材の公開を行った。今年度は「地域、疾患領域、臨床研究者・支援専門職ネットワークを活用した、QMSの概念に関する研究者及び研究支援者への教育研修に係る研究」と題し、昨年度までの事業をさらに展開させるべく、教育方法(対象者、教育資材等)のブラッシュアップ、継続的かつ効果的な教育研修の検討と実施、さらには医療機関管理者・臨床研究支援部門責任者を対象としたQMS/RBAの教育(解説資料等の作成)も見据えて活動している。
非臨中の医療機関は、経営母体も様々であり、医療機関として治験や臨床研究にどのくらいの重きを置いているかによって研究実施体制や支援体制が異なる。また、小規模な研究支援体制で研究を実施している医療機関が多く、研究実施者や看護師等の医療従事者、研究事務局など、実際に臨床の現場で活動するプレイヤーがいかに研究を適正に実施するかが決め手となる。演者は、今、非臨中の医療機関のQMS/RBAの実装に向け体制整備を行っているが、当院と近い環境で研究を実施している非臨中の医療機関(小規模な研究支援体制、主に多機関共同研究の分担機関として研究を実施)と情報交換する中で、病院全体で治験や臨床研究に取り組む体制や適正に実施できる体制を構築するためには、それぞれの非臨中の事情にあわせた取り組みが必要で、QMS/RBAの教育のあり方についても検討する必要があると考える。
本シンポジウムでは、AMED小居班のこれまでの活動の概要と非臨中の医療機関の状況を踏まえたQMS/RBAの実装、適正実施に向けた取り組みを報告する。