ファーマコメトリクスの重要性については製薬企業やアカデミア更には規制当局も巻き込んで既に活発な議論がなされ、多くの研究や関連ガイドラインが充足し、いよいよその利活用の拡大フェーズにあると言える。新薬の臨床開発へは既に様々な実用化がなされているが、本シンポジウムでは「ファーマコメトリクスのさらなる展開」として、臨床現場での活用並びに臨床現場から開発企業へのフィードバックツールとしての利活用について継続的に議論してきた。今回は、近年本邦にてほぼ同時期に複数の新薬が承認された片頭痛予防薬(CGRP阻害薬)を対象に、Model Based Meta Analysis(MBMA)による新薬間の薬効評価を行った研究を取り上げる。MBMAでは、公表論文などのデータを用いることで薬剤間の相対比較を定量的に行うことが可能となり、薬剤選択に有用な情報を提供するものと期待される。一方、同効類薬の処方選択は、相対的な薬効差だけからなされるものではない。処方判断を行う臨床現場医師のコメントを頂きながら、ファーマコメトリクス解析を通した同効新薬間の適切な選択に資する情報提供のあり方について、議論を深めたい。
医療側の現場“ニーズ”の発信をどう受け、開発企業側がその“ニーズ”にどう応えていくべきなのかという産学協働を図る「JSCPTサロン」の第二回目として、このパートでは昨年実施の第一回サロン、即ち小児PAH治療のためのPDE5阻害剤の小児用量設定における議論を振返ると共に、今回の議論の前に鍵となる論点整理を行う。