千葉大学医学部附属病院臨床試験部ではAROの設置を目指して平成19年よりARO推進室を設置した。その後、AROとしての基本的な機能を維持するための室を設置するともにこれを遂行するための人材の育成を行ってきた。そこで、人材育成とその課題について示す。
1 雇用について
AROを支える人材として、医師、看護師、薬剤師、検査技師などの医療職が必要である。しかし一方で、臨床研究専門職として医療職でないいわゆる研究について理解ができる人材の雇用が必要である。臨床試験を実施するためには科学的な議論がされることは言うまでもないが、これを理解することによって臨床試験の実施が可能になる。このため、将来の組織の中枢を担うことを目的に理系修士大学院以上の新卒者を積極的に雇用している。
2 育成プランについて
新卒雇用者については、1ヶ月の座学の教育とともに1年間のOJT機関として臨床試験部内に室のローテーションを3か月ごとに行う。OJTでは室ごとのテキストを用いて教育を行う。メンターの配置や、3か月ごとの成果発表会、テストの実施など忙しい研修期間となっている。
3 キャイアパス
2年目以降、それぞれ室へ配属となり、専門的な研修を様々な医師主導治験を室の先輩とともに担当しながら行う。担当する医師主導治験のプロジェクト会議に参加し、それぞれその役割を担っていくこととなる。さらにCG project(次世代育成プロジェクト)として横断的なチームを部内に設置し、それぞれCG projectごとにテーマを持ちながら活動を行っている。現在3チームが設置され活動を行なっている。
千葉大学では、千葉大学就業規則に臨床研究専門職及び主任臨床研究専門職が2022年4月に正式に位置付けられた。2015年より要望を続けてきたが、スタッフの活動が認められ、新たな職位が認められ、薬剤師とともに部内の室長や副部長への昇格が将来可能となった。
このような育成とキャリアパスを示すことはスタッフの活躍の可能性を大きく広げると考えている。しかしながら、まだ、新卒者雇用は10年を過ぎたところであり、主任への昇任など具体的なキャリアパスとして誰も踏み入れたことのない部分であり、リーダ教育なこれを切り開いていくことが必要である。「ともに創ろう、ともに歩もう」というスローガンのもと、組織を成熟させ育成が進んでいくものと考えている。