今年は、わが国でインスリン製剤による糖尿病治療が開始されてちょうど100年になる。その間にインスリン製剤は改良され、経口薬も次々と登場したが、長らく、2型糖尿病患者の血糖コントロールや合併症予防には難渋することが多かった。近年開発されたインクレチン関連薬(DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬)やSGLT2阻害薬は、2型糖尿病の血糖コントロールを比較的容易にしたのみならず、肥満や合併症という、これまでは治療が困難だった病態の改善までをも可能にした。また、ビグアナイド薬は、一時期、過小評価されていたものの有用性が見直され、現在は2型糖尿病の第一選択薬となっている。このように顕著に向上した2型糖尿病の薬物治療ではあるが、ビグアナイド薬やインクレチン関連薬、SGLT2阻害薬の作用機序には未だ不明な点が多く、また、これらの薬のみでは2型糖尿病を克服したと言えるところまではきていない。