近年,血液がん(特に白血病)に対する次世代シーケンサーを用いたがんゲノム解析に基づいたプレシジョンメディシンが注目されている。腫瘍に関連する特定のゲノム変異を検出し,それぞれに対応した分子標的薬を使用した治療につなぐことで,患者に最も適した医療を提供することが可能となり得る。
難治性白血病におけるがんゲノム解析のクリニカル・アクショナビリティ向上を目指し、白血病プレシジョンメディシンと新薬開発の基盤形成を目的として,遺伝子パネル検査を利用した,全国28施設で構成される多施設共同ゲノムスクリーニング研究・開発グループ「Hematologic Malignancies (HM)-SCREEN-Japan(以下HMS)」が構築された。
HMS-01試験では,治療ターゲットとなり得る変異や,予後予測に重要な遺伝子変異が一定の頻度で検出されており,網羅的遺伝子パネル検査(FoundationOne Heme)によって多くの貴重な情報が得られることが示された。個々の患者にとって治療戦略を決定するための重要な情報となるだけではなく,特定の遺伝子異常をターゲットとした新たな分子標的薬の治療開発のベースラインとなるリアルワールドデータの構築にも寄与した。
HMS-02試験では,よりTurn-around Time(TAT)を短縮したパネル検査(Amoy Myeloid Blood Cancer Panel)により、臨床的有用性の向上が示された。さらに、治療経過中のクローン変化がダイナミックに起こる白血病治療においては、同一患者における経時的な解析が有用であることも示された。
本発表では、以上の結果について紹介するとともに,血液がん領域における遺伝子パネル検査の臨床的有用性と将来展望について概説する。