大阪大学薬学研究科では、BINDSにおける生命科学・創薬研究の特徴的支援を創薬サイエンス研究支援拠点において実施しています。創薬サイエンス研究支援拠点は、化合物ライブラリー・スクリーニングセンターと創薬センターの2つのセンターから構成されています。化合部ライブラリー・スクリーニングセンターには、AIによる画像認識機能を搭載したセルイメージャーや空間的解析が可能なマルチプレックスイメージャー等の最新の研究機器を多数整備しており、共用できる仕組みを構築しています。また多種のがん臨床検体由来の組織、RNAやタンパク質、初代培養がん細胞も利用可能です。さらに特徴的仕様の質量分析計を用いたプロテオミクス、エピトランスクリプトミクス、メタボロミクス、リピドミクスの解析も支援しています。これらの機器を利用することにより、疾患の成因が解明され、治療標的分子が同定できれば、創薬研究が展開可能となります。同センターでは、疾患標的分子に対するスクリーニング系の構築とハイスループット化、さらにハイスループットスクリーニング(HTS)実施も支援しています。そのHTSに利用できる化合物ライブラリーとして、大阪大学オリジナルライブラリー、FDA承認薬を含む市販化合物ライブラリーや製薬企業から供与されたライブラリー等約14万の溶液化合物とともに、in silicoスクリーニング実施において構造利用できる約44万のJ-PUBLICライブラリーを提供しています。ライブラリーを用いたHTSによりヒット化合物が見出されると、創薬センターにおいてリード化合物の創出に向け専任のメディシナルケミストによる誘導体合成展開の支援を受けることができます。さらにin vivo薬物動態試験や安全性試験の支援も活用可能です。一方、自らの研究成果を創薬により社会に還元したいという志を有するアカデミア研究者でも、創薬経験は通常十分ではありません。そこで当拠点では、製薬企業出身、出向の創薬経験豊富な研究者が相談を受け、アカデミア研究者と一体となり支援する体制が構築できています。以上のような大阪大学薬学研究科創薬サイエンス研究支援拠点におけるシームレスなBINDS支援は、大阪大学研究者に限らず、アカデミア研究者さらには企業においても利用可能です。本シンポジウムではそれら大阪大学創薬サイエンス研究支援拠点における支援体制や特徴とともに、それらを活用した研究成果例を紹介します。