【目的】我々は2019年7月から地域在住高齢者を対象としたフレイル予防教室を開催し,フレイルスクリーニングを実施している。先行研究では,老化に伴う骨格筋内の脂肪細胞増加が筋力低下を引き起こすと報告されている。そこで今回、スクリーニングで得られたABSI(A body shape index)および四肢骨格筋量と身体機能(握力,歩行速度)の関係について検討したので報告する。【方法】対象者は2022年9月から2023年3月までの福岡市総合体育館にて3ヶ月ごとに実施しているフレイルスクリーニングに参加の地域在住高齢者16名のうち途中脱落者6名を除く10名,年齢75.2±3.9歳(平均±標準偏差)である。スクリーニング期間により9ヶ月群(5名,うち男性1名,76.0±2.3歳)と6ヶ月群(5名,うち男性1名,74.4±5.2歳)の2群に分け,握力,歩行速度,ABSI,四肢骨格筋量,SMI(Skeletal muscle mass index)のスクリーニング期間前後(前:開始時,後:6ヶ月後,9ヶ月後)の変化をt検定を用いて比較検討した。有意水準は5%とした。骨格筋量の評価には,生体インピーダンス法(bioelectrical impedance analysis: BIA)を用いた。握力は,スメドレー式デジタル握力計を用いて利き手で2回測定し,平均値を用いた.歩行速度は5m歩行テストにより通常歩行速度(m/秒)を算出した。また、ABSIは、腹囲/(BMI2/3×身長1/2)より算出した。なお,本研究は,長崎国際大学薬学部「ヒトを対象とする研究計画」に関する倫理審査委員会の承認を受けて実施した。(承認番号:第59号,令和4年7月13日承認)【結果・考察】スクリーニング期間前後における平均値の差の検定結果は,9ヶ月グループの握力上昇(前21.7±7.0,9ヶ月後25.1±5.7,平均値±標準偏差),ABSI低下(前0.08442±0.00240,9ヶ月後0.08066±0.00373)において有意な差が認められたが、歩行速度,四肢骨格筋量,SMIにおいては有意な差は認められなかった。6ヶ月グループの握力,歩行速度,ABSI,四肢骨格筋量,SMIにおいては有意な差は認められなかった。また、9ヶ月グループの6ヶ月後の歩行速度には有意な差は認められなかったが,握力上昇,ABSI低下,四肢骨格筋量低下,SMI低下においては有意な差が認められた。これらの結果からABSIの低下は身体機能のうち握力上昇と関係していることが示唆された。【結論】ABSIの低下は握力上昇と関係する可能性が示唆された。