【背景】昭和大学江東豊洲病院は,臨床薬理試験の経験を有する.昭和大学は,病態時の薬物動態試験を,附属病院の一般病床で実施している.一般病床での実施は,臨床看護師との協働が困難である.過去の試験でも,診療科医師と臨床研究支援室スタッフ(CRC)で実施している.今回,受託した臨床薬理試験は,初めて肝機能障害患者へ投与すること,また治験使用薬の性質上,入院期間中に日常生活動作(ADL)への影響の懸念があったため臨床看護師による患者管理が必須であると判断し実施体制を整えた.【目的】一般病床で実施する臨床薬理試験における臨床看護師による患者管理体制の整備を行ったので報告する.【方法】看護管理者は,看護業務を行う臨床看護師の視点で治験実施計画書から問題点を抽出した.また,適切な人員配置をした.治験使用薬投与後の観察を健常人の薬物動態試験の結果を参考とし,臨床薬理専門医師に相談し決定した.治験実施計画書に規定されている「被験者の管理」の項目を指示簿の項目に対応させた.【結果・考察】看護師長は,病棟全体と臨床薬理試験のスケジュールを考慮し,各勤務帯に適切な人員配置をした。夜勤務者を通常の3名から4名体制にした.観察の時間は,健常人の薬物動態試験結果より,体内消失時間を考慮し,12時間後まで設定し安全性の確保をした.指示簿に対応させた項目は,「与薬」「安静度」「経口摂取(食事)(飲水)」「清潔」の4項目で,時間で管理するケジュール表を作成し,「見える化」した.臨床研究に不慣れな臨床看護師にとって,指示簿に対応させた項目を設定したことは,臨床薬理試験へ参加する患者管理がスムーズであったと考える.また,看護師長による適切な人員配置は,安心して患者管理ができる体制であった.治験使用薬投与後の看護ケア立案は,臨床看護師にとって,初めての経験であったが,臨床研究に参加した患者管理の新たな視点を持つことができた.【結論】臨床看護師による患者(被験者)管理は,病態時の薬物動態試験を目的として入院した患者であっても,医療の視点を持ってアセスメントし看護ケアする意義がある.一般病床での臨床薬理試験実施時の臨床看護師の患者管理は,安全性の確保に寄与する.