【目的】
研究者が臨床研究を行う際、順守すべき省令や指針をはじめ、多くの専門的な知識が必要である。その他、臨床研究に伴う院内手順の把握、作業分担者の確保など多くの課題がある。
これらの課題に対し、臨床研究コーディネーター(CRC)等補助人材の育成推進、研究に活用できる共通ツールの開発による効率化、部門・担当者間のコミュニケーション改善などの負担軽減対策を講じることにより臨床研究実施の一助となると考えた。具体的な負担軽減対策を検討するために、臨床研究の手順のうち、研究者やその支援者が何を困難とし、どのような補助を必要としているかを調査することを目的とした。
【方法】
聖マリアンナ医科大学、および大学附属病院所属者の中から、研究者、研究支援経験者、およびこれから研究やその支援を行おうとしている者を対象として、アンケート調査を行った。得られた回答は、研究実施者側と支援者側に分けて集計を行った。
【結果・考察】
書類作成や書類整理補助業務は、支援の依頼および支援の受託どちらのケースも多く、業務支援者の専門分野にも大きく影響しておらず、比較的分担が容易な業務であると考えられる。
その他、研究デザインなど、研究計画の初期段階の方針に関するアドバイスを求める意見や、事務手続きや問い合わせを繰り返す時間にストレスを抱えているという意見も見受けられた。
専門性の高い支援者に加え、研究者の目的を研究計画に落とし込む補助者が求められていることや、手続きに関わる時間の短縮も課題のひとつであると考えられた。
実施可能な支援は当然ながら支援者の専門分野に依るため、様々なスキルを持った人材の確保、もしくは育成が求められている。一方、支援を受けられない場合に研究者自身でどう対処するかという観点からも対策を検討する必要がある。今後この結果を元に、補助人材の育成推進、ツールの開発などを進める予定である。
【結論】
臨床研究の企画や運営のための手順の理解、およびそれらの業務を分担可能な人員は十分ではなく、臨床研究着手へのハードルを下げるためにも、臨床研究に関する知識の習得や理解が容易な環境および人員の育成が必要である。