うつ病治療においては、抑うつ状態の改善、寛解が急性期治療のゴールとなる。次のステップとしては、社会・認知機能を含めた症状が元来の健常レベルまでの回復、そして、その後は、再燃を予防することが重要である。再燃の予防には、発症リスクの把握、睡眠や生活環境などのリスク低減調整とあわせて、抗うつ薬による維持療法が有用である。維持料に関しては、薬剤をやめる、続けるで再燃率がどの程度異なるか、その差が、それぞれの患者にとってどれほど重要かを考慮し、医師ー患者間で治療のコンセンサスを得る必要がある。本セッションでは、抗うつ薬寛解後、抗うつ薬は中止できるのか、そのことをどのように患者に説明し、共同意思決定をしていくか、に関して我々の行った世界最大規模のメタ解析や、その結果に基づいて作成したdecision toolを紹介しながら、概説したい。