臨床研究(試験)の目的は、臨床上の不確実性を調べることである。ただ、目の前にいる患者に対して治療を行う診療と異なることは、診断や治療法の良し悪しをみることが目的になるという点である。そのためには、何を知りたいのかという研究者のclinical questionをいかにresearch questionとして落とし込み、目的に対して適切な研究デザインと実行可能なスケジュールを組むことが必要となる。さらに、そこには、科学性と倫理性、信頼性が求められる。とくに、臨床研究(試験)を行ううえで忘れてはいけないことは、被験者保護とどうやったら人から信用してもらえるかという点である。本講演では、これから臨床研究(試験)を行おうと考えている若手医師やブラッシュアップをしたいと考えている医師を対象に、その思い(clinical question)を臨床研究(試験)として形にしていく技について一緒に考えてみたい。