【目的】良質かつ責任ある臨床研究を計画し、実施することは重要であり、限られたリソースの中で医学の発展に資する臨床研究への効果的なブラッシュアップが必要である。限られたリソースで臨床研究を効率的に実施するためには、臨床研究の計画時点より当該研究の社会的なベネフィットを最大化するための質を維持することが必要であるものの、質に注目した支援プロセスはまだ確立されているといえない。そこで、令和4年にAMEDで採択された「Quality by Designを用いた研究計画立案及び実装を可能とする研究支援体制の構築」研究班(松山班)では、Clinical Questionに即した研究に求められるプロセスとQuality by Design(QbD)による質の組み込みを行うための支援プロセスの確立を目指す。
【方法】QbDによる研究計画立案及び実装が可能となる業務プロセスを構築し、研究支援体制の構築に必要な各種専門職種の関与が明確にされた業務フローを作成し、QbDによる研究実施計画書の作成を実施する。また多くの支援拠点では研究に利活用可能なリソースが限定されるため、研究支援に関する実態及びニーズのアンケート調査を行う。アンケート調査の作成においては、知識・環境整備(ツール・トレーニング)・実装に向けた対話という観点から情報収集を行うこととなっている。上記の調査に基づき、研究者への教育支援を実施するための教育及び研究支援ツールを作成する。
【結果・考察】本研究班では上記実現を目指し、以下に示す4つの課題に基づく検討を実施した。
1.先行研究調査及び研究支援に関するニーズアンケート調査
2.研究計画書立案支援フロー及び手順の作成
3.具体的な研究課題に対するQbDに基づく研究計画書の作成
4.臨床研究の質確保に向けた教育トレーニングツール作成
本発表では、本研究班の取り組み、アンケート調査への取り組みなどを中心に報告する。
【結論】本研究班の議論においても、リソースが限られた研究での適切なQbDによる支援プロセスが確立すれば、いち早くE8R1ガイドラインに即した研究の実施環境の整備に役立つものと考えられると整理された。本研究班では品質に基づくプロセスマネジメントを志向しており、実行可能な医療機関が増加することで、我が国における臨床研究の質の改善にも大きく貢献するものと確信する。