小児・周産期領域で使用される医薬品の約70%が適応外使用であり、治験等の実施によるoff label use解消の必要性が長らく提言されている。一方で、小児・周産期領域における臨床研究、特に企業治験数は、成人領域と比較して極端に少なく、適応外使用の解消のためには医師主導治験や特定臨床研究等を実施する必要性が高い。また適応外使用が多いため、小児・周産期領域では、ほとんどの臨床研究は特定臨床研究として実施することになる。医師がリサーチ・クエスチョンを立てても、診療業務で多忙な医師が単独で、臨床試験の実施までたどりつくことはなかなか困難である。そのため、ゴールや出口戦略に応じた臨床試験の企画 立案,開発薬事、研究資金の獲得、研究実施体制の構築、プロトコル・説明同意文書・各種手順書の作成、調整事務局、データマネジメント、モニタリング、生物統計、総括報告書作成、企業への導出などのさまざまな業務への支援が求められる。
演者が所属する国立成育医療研究センターでは、平成24年に臨床研究センターが設置され、医師主導治験や特定臨床研究の実施支援が可能な体制が整備されている。これまで演者は小児・周産期領域の医師主導治験や特定臨床研究の企画 立案、研究資金の獲得、研究実施体制の構築、プロトコル・説明同意文書・各種手順書の作成、調整事務局などの業務を支援してきた。
本講演では、小児低亜鉛血症を対象とした医師主導治験支援での取り組み、特定臨床研究における企画・立案からプロトコル作成支援における取り組みについて紹介する。本講演が小児・周産期領域の臨床試験の推進に少しでも寄与できれば幸いである。