日本医療研究開発機構(AMED)は、「成果を一刻も早く実用化し、患者さんやご家族の元にお届けすること」を目指し、医療分野における基礎から実用化までの一貫した研究開発の推進と成果の実用化や、研究開発が円滑かつ効果的に行われるための環境整備に取り組んできました。現在は、6つのモダリティを軸にした統合プロジェクトにおいて、一貫したマネジメント機能をもって研究課題を推進しています。また、医学・薬学に留まらず幅広い分野を融合した研究開発も常に念頭に置きながら進めています。
アカデミア発の医薬品開発については、我が国では、当時の薬事法の改正により、2003年から医師主導治験の実施が可能となりました。当初年間20件程度であった医師主導治験の届出数は、臨床研究・治験の実施機関となる臨床研究中核病院や関連規制の整備により、近年では100件を超える状況となっています。こうした中で、AMEDにおいても、日本で生み出された基礎研究の成果を薬事承認に繋げ、革新的な医薬品・医療機器を創出すること等を目指して、基礎研究の成果を治験等に適切に橋渡しするための非臨床試験や、科学性及び倫理性が十分に担保され得る質の高い臨床研究等を推進するとともに、日本の臨床研究や治験の更なる活性化を目的とした研究を推進しています。
本講演においては、AMEDにおける研究開発推進の全体像や、臨床研究・治験の推進に向けた研究、環境整備等に関する取組についてご紹介します。