慢性心不全は自己管理能力が問われ、薬局でどのような患者サポートが必要であるか、薬局と病院薬剤師が協力し、服薬アドヒアランスとセルフケアの強化を目的として連携を図った。入院中に行った患者指導内容をお薬手帳等用いて薬局と共有し、初回心不全、服薬アドヒアランス低下の懸念がある患者を病院薬剤師が選定し連携の対象患者とした。薬局では、増悪因子をアセスメントし、患者の介入点や問題点を整理することで患者指導や服薬フォローがしやすくなり、心不全の症状経過と管理目標を患者と共有することができた。心不全増悪は患者要因が多く、患者指導の徹底により予防できるものも多い。
抗がん剤指導にあたる薬局薬剤師の役割は、患者の副作用を最小限に抑え、治療継続をサポートすることである。聖マリアンナ医科大学病院薬剤部は経口抗がん剤処方患者には情報提供書(使用する薬剤名、投与スケジュールなど)、点滴患者には治療日誌というものを作成し、病院、薬局、患者をつなぐツールとして活用している。患者が薬局へ持参することで、薬局での患者対応がスムーズにできるようになっている。患者指導や副作用評価の均てん化のため、病院と薬局が連携し協働していくことが大事である。
この2つの取り組みに関しては、病院薬局の双方の顔が見える関係性が構築されている。薬局と病院薬剤師が協力することで、患者への継続的な指導やフォローアップを薬局で行うための体制を構築することができた。患者側からは、薬局が病状を把握していること、薬局と病院が連携していることで安心感を得ることができたとの声もきけた。心不全とがんは密接な関係であり、患者セルフケアが重要となる疾患である。薬局薬剤師は、患者の治療継続のためのサポーターとして関わり、薬物治療に結び付けられる情報を病院や多職種へ共有し連携している。連携の在り方は様々であるが、薬薬連携のみを目的とするのではなく、心不全患者とがん患者が高度なサポートをどこにいても受けられる環境整備が課題である。