【背景】心臓リハビリテーションの普及は、我が国においてまだまだ満足とは言えない現状がある。さらにこのコロナ禍において、感染対策の一環としてCPXや運動療法などについて制約が課せられている施設も多いと聞く。一方で、オンライン診療の発展・普及が著しく、心臓リハビリテーションにおいても、遠隔心臓リハビリテーションの可能性が模索されている。【目的・方法・取組】自施設は心臓リハビリテーション専門の医療機関であり、服薬管理・指導は重要ファクターの一つである。患者の高齢者化に伴い多剤併用となる傾向が多い循環器領域において、調剤薬局との協働関係は必要不可欠である。特に心不全に対する投薬治療には医師・施設間で多様を極めており、調剤薬局での服薬指導の大きな障壁の一つとなっている。これに対し自施設では近隣の調剤薬局に限るが、SNSを積極利用し、医業・調剤間での情報共有・意見交換の効率化を図る取り組みを行っている。また新薬採用などのタイミングで定期的に共同での勉強会を企画・開催し、薬剤に対する知識の共有・お互いの人材交流を図っている。【結果・考察】SlackなどのSNSを用いた新しい形での医業・調剤の協働は、医業側にとっては、自身の治療方針や薬の選定基準を調剤側と共有できる大変良い機会となり得る事を実感した。このことは患者の服薬コンプライアンス・アドヒアランス向上、治療効果向上に寄与するとも期待できる。薬局側にとっては、医師の薬剤選定の根拠や考え方、減薬・増薬の意図などを事前に共有でき、患者への説明・指導などの精度向上にも貢献しうると考える。【結論・今後の展望】オンライン通信・ウェアラブルデバイスなど発達目覚ましい情報伝達技術は、コロナ禍で引き起こされた様々な分断に対する有効な解決手段となり得る。単なるデジタル情報の共有にとどまらず、人と人のつながりやコミュニティの形成にも有用であると考える。