近年、免疫チェックポイント阻害剤が開発され、主に外来で治療が行われている。従来の抗がん剤治療では認められない副作用が出現し、その対応には注意を要する。注意すべき副作用として、間質性肺疾患、大腸炎・小腸炎・重度の下痢、重度の皮膚障害、神経障害、肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎、甲状腺機能異常、副腎機能不全、下垂体機能不全、1型糖尿病、腎機能障害、膵炎、筋炎・横紋筋融解症、重症筋無力症、心筋炎、脳炎・髄膜炎、重篤な血液障害、血球貪食症候群、結核、点滴時の過敏症反応、ぶどう膜炎などがある。これらの副作用の治療は専門性が高い。そのためチームで取り組む必要がある。 従来のがん薬物療法のチーム医療は、共通の目標を目指して協力する常設の固定されたグループ(例:外来化学療法センター、〇病棟看護師グループなど)で行われてきた。適切にデザインすればパフォーマンスは自然についてくる。しかしこのモデルは明確に定義された境界の内部に目が向けられている。 免疫チェックポイント阻害薬の副作用は、これまでがん薬物療法とは関りのない診療科が対応する必要があり、従来のチーム医療の境界の外部に目を向ける必要がある。副作用の頻度が少なく、多岐にわたるため、常設の固定されたグループの対応はできない。 「チーミング」という協働するという「活動」を表す造語がある。チーミングはダイナミックな仕事の仕方であり、しっかりとしたチーム構造という堅固さを持つことなく、柔軟さと協力と協働で新しいアイデアを生み、答えを探し、問題を解決するために団結させる。免疫チェックポイント阻害薬のマネジメントには「チーミング」が有効である。「チーミング」について概説をするが、医療者であれば日常業務で行っていることである。