【目的】
当センターでは、2020年11月から医療法に基づいた未承認新規医薬品等評価委員会を設置した。審査を開始して半年、定時以外に緊急審査を頻回に実施しなければならない状況が続いている。この原因が小児領域特有の問題であるか検討したので報告する。
【方法】
委員会設置後の審査回数、緊急審査回数を集計するとともに、審査案件の内訳を精査する。
【結果】
定例の委員会は月1回開催としており、緊急で使用する必要がある場合は随時緊急開催している。2020年11月から2021年7月までの9カ月間で、19回開催し、うち、9回が緊急開催であった。審査件数は計24件で、理由は、成人では承認されているが小児は適応外:5件、他の疾患に承認されているが使用したい疾患に成人・小児ともに適応外:16件、海外で承認されているが国内未承認薬:3件だった。
対象疾患は、呼吸器4件、循環器4件、消化器4件、感染症3件、血液腫瘍3件、外科3件、麻酔1件、新生児1件、耳鼻科1件、であった。
【考察・結論】
小児科診療で使用する医薬品は、小児適応がないことが多い。これに加え、当センターの特性として、難治性の希少疾患が多く、緊急での開催が多かったと考察される。
一方で、小児医薬品開発のための法規制がなく、治験が進まない状況である。医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議や小児医薬品開発ネットワーク事業など、小児医薬品開発を推進してはいるものの、まだ十分とは言えない。小児医療において、適応外使用は日常的に行われているのが現状である。未承認新規医薬品等評価委員会の審査対象となる未承認薬や適応外薬の使用実態について情報共有することで、小児医薬品開発の推進につながる活動を継続することが必要である。