【目的】Carotegrast methyl(CGM)のTQT試験を実施し、時点ごとの解析(CT解析)および濃度-反応解析(CR解析)を行い、さらにプラセボ対照群の有無が結果に及ぼす影響を検討した。【方法】日本人健康成人男女(n=48)を対象とした単回投与、無作為化、二重盲検、プラセボ・実薬比較対照、4群(moxifloxacin 400 mg、CGM 480 mg、CGM 960 mgおよびプラセボ)・4期クロスオーバー試験を実施し、QTcFを計測し、時間を一致させた各ベースラインからの変化分(ΔQTcF)を求め、さらに各被験薬群とプラセボ群の差(ΔΔQTcF)を算出した。不整脈予測指標である早期(J-Tpeakc)および後期(Tpeak-Tend)再分極時間を測定し、QTcFと同様に解析した。CTおよびCR解析法を用いて、各指標を分析した。【結果・考察】QTcF:Moxifloxacin群で、両解析においてΔΔQTcFの90%信頼区間(90%CI)下限値が5 msを超え、本TQT試験におけるQT延長リスクの検出感度は十分であることが示された。CGM群で、両解析においてΔΔQTcFの90%CI上限値が10 msを超えず、QT延長リスクを認めなかった。プラセボ群の結果を用いないΔQTcFを評価指標とした際にも同様の結果が得られた。J-Tpeakc:Moxifloxacin群で、両解析においてΔΔJ-Tpeakcの90%CI下限値が0 msを超え、有意な延長が示された。CGM 480 mgは、CT解析でΔΔJ-Tpeakcを延長したが、CGM 960 mgは延長しなかった。CGMはCR解析でΔΔJ-Tpeakcを延長しなかった。ΔJ-Tpeakcを評価指標とした際には、CT解析でのCGM 480 mgによる延長は検出できなかったが、他は同様の結果であった。Tpeak-Tend:Moxifloxacin群で、両解析においてΔΔTpeak-Tendの90%CI下限値が0 msを超え、有意な延長が示された。CGMは、両解析においてΔΔTpeak-Tendを延長しなかった。ΔTpeak-Tendを評価指標とした際には、CR解析におけるmoxifloxacinによる延長を検出できなかったが、他は同様の結果であった。【結論】CT解析およびCR解析はQT延長作用に関して同程度の検出感度を有し、CGM 480および960 mgにはQT延長リスクがないことが示された。また、ΔQTcF評価においてもΔΔQTcFと同様の結果が得られたことから、プラセボ対照群の有無がリスク評価に及ぼす影響は小さいことが示された。一方、CR解析では濃度依存性を示さない変化は検出できない可能性が示唆された。