【目的】群馬大学医学部附属病院、国立病院機構高崎総合医療センター、国立病院機構渋川医療センター、前橋赤十字病院、深谷赤十字病院の治験・臨床研究推進部門を中心として、メガホスピタル「前橋・高崎・渋川・深谷コア5治験・臨床研究病院(コア5 治験・臨床研究病院)」を整備し、これまでに企業治験及び医師主導治験を実施し実績を重ねてきた。今回はコア5治験・臨床研究病院で特定臨床研究を実施し、メガホスピタルの研究環境について検証を加えた。【方法】コア5 治験・臨床研究病院では、立ち上げ当初より専用システムを用いたウェブ会議を定期的に実施し、共同IRBの開催とともに治験の実施状況や新たな治験・臨床研究の実施可能性等についての情報共有を行っている。新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴い、群馬大学医学部附属病院は全国に先駆けて特定臨床研究「新型コロナウイルス感染症におけるファビピラビル錠の有効性、安全性を評価する多施設共同非盲検前向き単群試験(ファビピラビル特定臨床研究)」を主導し、コア5 治験・臨床研究病院のネットワークを用いてファビピラビル特定臨床研究を開始した。インターネット回線を用いた専用のEDCシステム(HOPE eACReSS)を使用し、症例登録、データマネジメント及び中央モニタリングを実施した。【結果・考察】ファビピラビル特定臨床研究は、2020年2月27日に開始され、第1症例登録は2020年3月14日に行われた。その後も月1回のウェブ会議で研究の実施状況や新型コロナウイルス感染症の対応を含む各病院の状況等の情報共有を行い、施設間のコミュニケーションを密に図ることを継続した。症例登録は順調に進み、約1年後の2021年4月に目標症例数の100例に達し、登録完了となった。新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症で承認されている低用量ではじめの1例目から50例目まで、新型コロナウイルス感染症で企業治験が行われている高用量で続く51例目から100例までの2用量で登録できた。施設間のコミュニケーションが良好なこともあり、EDCシステムにおけるCRF提出、クエリ対応も適切・迅速に進み、適切なデータマネジメントが実施できた。【結論】メガホスピタルの研究環境を用いることで、コロナ禍においても特定臨床研究を迅速かつ適切に実施し、症例集積性を向上できることが確認できた。メガホスピタルの運用を継続して検討・見直しを行い、さらに進化させることが望まれる。