【目的】近年のIT技術の進歩の中、日本の臨床試験支援部門においてもIT化を進める事は課題であった。しかしIT化により業務効率化のメリットは期待できるものの、導入コストの問題やセキュリティ対策、行動変容に対する各部門への了解が必要なため、容易には進まない状況であった。このような状況の中、2019年12月からの新型コロナウイルスの流行により、この状況が大きく変わり、各部門でIT化が大きく進んだ。そこで私たちはコロナ禍において、大学病院臨床試験アライアンス各施設の支援部門において、どのようにIT化が進んだか調査した。【方法】アライアンス各施設において、緊急事態宣言1回目時(2020年4月~5月)と緊急事態宣言2回目時(2021年1月~3月)における委員会審査、事前ヒアリング、スタートアップ会議、リモートSDV(RSDV)やeコンセント等のIT化オンライン化対応状況を調査した。本調査結果は、アライアンスのCRC連絡協議会活動、品質管理(大学間相互チェック)活動で得られた調査結果を基にとりまとめた。【結果・考察】WEB会議のツールが導入しやすい委員会審査や事前ヒアリング等の会議は各施設において1回目の宣言時にいち早くオンライン化対応が進んだ。RSDV領域においては1回目の宣言時より2回目の宣言時には対応が進んだ。これはRSDVを行うためには、セキュリティの問題等周辺環境の整備が必要だが、2回目の宣言時までには情報共有が進み周辺環境の整備が進んだためと考察された。緊急事態宣言を契機に、遠隔からカルテ閲覧可能なシステムを有する施設から情報提供を受け、新たにシステム導入を検討された施設もあった。しかしながら、施設毎のセキュリティや患者個人情報への考え方など、リモートモニタリングへのIT導入には依然として課題があることも示唆された。【結論】コロナ禍により委員会審査や会議はオンライン化がいち早く進んだ。一方RSDVは、当初オンライン化が遅れたが、2回目宣言時には対応が増加したことが分かった。RSDVはまだ課題も多いが、各施設で情報共有とともに周辺環境も整備されてくれば、今後も増加されると思われる。