臨床試験におけるQuality by design (QbD) において、被験者保護とデータの信頼性確保を担保するためのCritical to Quality Factorsの特定と、それらの要因に対するリスク管理が重要である。
試験の質を試験実施計画書および実施手順の中に設計することにより、試験の質の積極的な向上を確実にする。CROにおいては、試験のデザインや計画段階からの設計への関与は限定的であるが、データの性質に応じたその収集方法の対案などオペレーションレベルの検討を通じ、品質の作り込みに貢献できると考える。
ICH E6 (R2) により、製薬企業およびCROにおけるRisk Based Approach (RBA) の対応や取り組みは進んでいる。試験の実施段階におけるRBAの導入実践は益々重要性を増しているが、リスク評価を行い、その上流の過程での試験計画へのフィードバック、すなわちQbDに対する教育・周知やオペレーション上の課題解決が求められる。
本演題では、CROの立場から、ICH E8 (R1) およびE6 (R3) を踏まえたRBAとQbDの導入実践に向けた取り組みと、今後の展望について紹介する。