臨床薬理学集中講座は、2016年よりはじまり今年度には第5回目がWebにて初開催され、臨床薬理学に興味を持ち、学ぶことを希望する若手の医師及び薬剤師等が臨床薬理学を体系的・集中的に研鑽する場となっています。本講座では、臨床研究に関わる倫理的な問題や研究デザインに関する課題等を通して、臨床薬理学・臨床研究を通じたエビデンスの創造・発信のできる医療従事者・研究者の育成を目指しており、今後はこの講座で学んだことを活かせる、臨床研究の場が必要と考えられます。そこで本セッションは、臨床研究を共同で立ち上げ、スタートできるようにすることを一つの狙いとし、本講座参加者メンバーにより、共同研究を計画してきました。昨年度までに、本講座参加者メンバーにアンケートを募り、具体的な研究テーマの検討、本研究を進めるために必要な体制整備を議論しながら構築してきました。そんな中、昨年度から新型コロナウィルス感染症の広がりにより、我々の計画してきた多施設共同研究の活動も少なからず影響を受けました。しかしながら、Webツールなどを利用しながら、可能な限り多施共同研究の進展を図るべき工夫も行ってきました。今回は、昨年度までのフォローアップセミナーにて抽出されてきた課題を振り返りながら、参加者の皆さんとこれからの臨床研究活動について話し合いができたらと思います。また、既に研究テーマが決まっている、観察研究については、今年度行った倫理審査を始めとした進捗状況や一部研究結果を中心にご紹介しながら、改めて集中講座で学んだ皆さんと臨床研究について考え、質の高い共同研究を行うためには何が必要で、どのような工夫が今後は必要となってくるのか、討論できればと考えています。本セッションでは、昨年度に引き続き具体的な研究テーマで議論を進めていく予定ですが、この議論を通して、臨床研究を共同研究として進める場合の実践的な知恵や工夫(コロナ禍で如何に停滞しないで活動するのか)を共有できる場にもなるのではないかと考えていますので、皆さんの積極的な参加とご意見を頂ければと思います。