不随意運動とは自分の意思とは関係なく、体が勝手に動いてしまう現象を示し、その種類は多く振戦、ミオクローヌス、アステリキシス、舞踏運動、アテトーゼ、バリズム、ジストニアなどがある。また、変性疾患、遺伝性疾患、代謝性疾患、機能性疾患、脳血管障害、薬剤性などが不随意運動の原因としてあげられる。不随意運動への対処のためには、その不随意運動の種類を特定する必要がある。
今回、不随意運動が増悪したパーキンソン病の一例をビデオ提示し、その病態と対応について説明する。
【現病歴】62歳女性
X年 左手足にふるえが出現
X+1年 近医にてパーキンソン病と診断され、抗パーキンソン病薬の処方が開始された。
X+3年9月 食欲が低下し、嘔気も出現。四肢のふるえがひどくなったため当科受診。
【既往歴】 甲状腺機能低下症、骨粗鬆症
【家族歴】 類症なし【飲酒・喫煙】 なし
【内服薬】L-ドパ/カルビドパ合剤 300mg、アマンタジン 200mg、ゾニサミド 25mg、レボチロキシンナトリウム 100μg、アルファカルシドール 0.25μg、センノシド 24mg
【現症】血圧 108/68、脈拍 90 整、体温36.4℃、体重32.5kg、意識レベル JCS I-1、四肢にふるえを認める(ビデオ供覧)