【目的】
第二世代上皮成長因子受容体 (EGFR) チロシンキナーゼ阻害薬 (EGFR-TKIs) であるアファチニブ (AFT) は、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌患者に対する第一選択薬の一つである。初期投与路用は多くの患者が固定用量40 mgから開始されるが、血中濃度は個体差が大きいことが知られている。また、AFT投与中の患者の多くは、副作用の発現により減量あるいは休薬を経験する。そこで、本研究ではAFT血中濃度と副作用発現との関係や、患者背景や臨床検査値の中に血中濃度と相関性を示す項目を見つけ出すことで適切な投与量が設計可能かを検討した。
【方法】
鹿児島大学病院臨床研究倫理委員会の承認と対象患者より文面での同意を取得し、AFTでの治療が開始となったEGFR-TKIs未治療のEGFR変異陽性非小細胞患者を対象に、液体クロマトグラフィー質量分析法 (LC-MS/MS) を用いてday8-14におけるAFTトラフ血中濃度測定を行った。AFTトラフ血中濃度と臨床検査値、有害事象、AFTの減量、無増悪生存期間について相関分析、ロジスティック解析、ログ・ランク検定を用いて統計解析を行った。
【結果・考察】
臨床検査値の中にAFT血中濃度と強い相関性を示す項目はなかった。一方、AFT血中濃度が高い患者では減量となった症例がより多く、ロジスティック解析によりAFT血中濃度が高いことと投与量減量には有意な関連があることが示され、その血中濃度カットオフ値は21.4 ng/mLであった。また、減量あり群と減量なし群の無増悪生存期間はぞれぞれ415日と446日で違いはみられなかった。
【結論】
AFT治療患者において、血中濃度のモニタリングを行うことは、副作用発現の予測ができ、患者のQOLの確保につながると考えられる。