ヒトを対象に血中薬物濃度を指標とした生物学的同等性(以下、「BE」)評価に関する考え方については、「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン等の一部改正について」(薬食審査発0229第10号 平成24年2月29日)(以下、「BEガイドライン」)等において示されていたところである。前回の改訂から8年が経過したが、その間に、医薬品開発のグローバル化、新技術を背景とした医薬品製剤の開発等、時代の流れに対応したガイドラインの見直しが求められてきた。そのような背景のもと、BEガイドラインの改正が行われた。今回の主な改正内容は以下の4点になる。・食後BE試験の追加・予試験の目的の明確化と例数追加試験の再検討・外国人を対象に実施されたヒトBE試験の受入れ・国内標準製剤使用の明確化今回のBEガイドラインの改訂において、技術の進歩に伴い新たに開発されてきている難溶性薬物の溶解性改善製剤についての評価方法の提案等を行った。他方、現状では必要性が低くなったと考えられる規定は削除した一方で、厳密に対応すべき事項については再構築を行った。これらの改訂により、より科学的及び合理的に BE 評価が行なわれる条件が整備されたと考える。本発表では、ヒトBE試験ガイドラインの改正のうち、食後BE試験の追加及び統計的問題(予試験の目的の明確化と例数追加試験の再検討)について、改正に至った理由や背景を含め紹介したい。