【目的】昨今の抗がん剤治療に関して、外来での実施も当たり前な時代になってきており、保険薬局においても抗がん剤の取り扱い数が非常に増えてきている。令和2年の診療報酬改定により外来がん化学療法の質向上の為の総合的な取り組みの一つとして保険薬局側には「特定薬剤管理指導加算2」が新設された。レジメンを確認、把握し、抗がん剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤に関して、電話等により服薬状況、副作用の有無等について患者又はその家族に確認、その情報を医療機関に文書にて提供する事が必要とされている。当薬局でもある条件を満たした抗がん剤使用患者に対して初回投薬後ある一定期間後に電話による状況確認の実施の了承を得て実施している。診察から診察までの間の状況を医療機関へのフィードバックをする事は、その間の患者状況の把握が出来るため、その後の診療、治療においても有効的なものであるのではないかと考えて調査を実施した。【方法】報告書を提出した患者に関して、その後の治療経過などについて来局時に確認した。【結果・考察】該当患者のうち報告書の提出まで至ったケースが21例、重篤な副作用の発見や緊急受診などに至ったケースは無かったものの、次回受診時に報告書を基に医師もしくは病院の担当薬剤師からの面談等がありその後の状況の詳細の聞き取りに繋がり、支持療法薬の追加に至ったケースが2件、また副作用の状況から近医への受診に至ったケースが1件あった。変更などは無いものの不安を話してくる方、それにより落ちついた安心したと声をかけていただける方等、精神的なケアに関しても対応できたケースがあった。【結論】いくら重篤な副作用等が軽減されてきて外来で抗がん剤治療が出来るようになったからと言っても、やはり患者自身はみなそれぞれに治療に対して不安を抱えている。また副作用に関してすぐに病院や薬局などに相談する事が辛くて出来ない場合や、気を使って躊躇する方もいる。そんな時に薬局側から電話をかける事は、患者の負担が減り比較的細かな副作用や抱えている不安などを話していただけるケースがある。今後はもっと範囲を広げて積極的に薬剤投与後の状況を把握する事でより質の高い医療の提供につなげていきたい。