看護研究は、大学等の研究機関に所属する研究者だけではなく、臨床看護師によっても活発に行われている。看護師の教育背景は、専門学校卒または大学卒がほとんどで、修士・博士課程修了者は少数である。このように多様な教育的背景を持つ看護師の公正な研究活動を支援するため、看護の職能団体である日本看護協会は「看護研究における倫理指針」(2004年)を策定し、一般社団法人日本看護系学会協議会は、「論文投稿ハンドブック」(2021年3月)を作成するなどしている。
本シンポジウムでは、第52回(2021年度)日本看護学会学術集会にて発表した看護研究論文上の研究公正に関する記載の分析結果(演題名:看護師が主導する研究における研究公正の現状)および一般社団法人日本看護系学会協議会が公表している「学会誌編集における倫理上の課題に関するアンケート報告書」(2021年5月31日)等を基に、看護師の研究公正に関する意識について考察し、看護師を対象とする効果的な研究公正の学習方法について検討する。