国内では2021年2月14 日にファイザー製新型コロナウイルスワクチンが製造販売承認され、2月17日から医療従事者等を対象に予防接種法に基づく臨時接種が開始された。4月12日から高齢者等への接種が始まり、6月1日から接種対象年齢が16歳以上から12歳以上に変更された。 5月21日に武田/モデルナ製及びアストラゼネカ製ワクチンが製造販売承認され、 武田/モデルナ製ワクチンは5月24日から主に集団接種会場などでの接種が行われるようになった。6月17日から対象年齢が18~64歳も加わり、8月2日からは対象年齢が12歳以上となった。アストラゼネカ社製ワクチンについては、原則40歳以上の方(ただし、海外で同社製ワクチンを1回接種された方、他の新型コロナウイルスワクチンに含まれる成分に対してアレルギーがあり接種できない等、特に必要がある場合は18歳以上の方)を対象に、8月3日より予防接種法に基づく接種の対象となっている。ただし、現時点では、アストラゼネカ社製ワクチンの接種を行う機会は限られており、通常はファイザー社製又は武田/モデルナ社製ワクチンが接種されている。一方、国産ワクチンの早期実用化に向けて、従来の研究・薬事承認・生産体制の全過程で加速並行プランが進められているが、承認の見通しは立っていない。 アンジェス社/阪大/タカラバイオ社製ワクチはDNA ワクチン、塩野義製薬/感染研/UMNファーマ製ワクチンは遺伝子組換えタンパクワクチン、第一三共/東大医科研製ワクチンはmRNAワクチン、KMバイオロジクス/東大医科研/感染研/基盤研製ワクチンは従来型の不活化ワクチンとそれぞれ異なるモダリティのワクチンが開発されている。 当日は、公開されている情報を基に、各ワクチンの開発上の現況と課題を紹介する。