REMAP-CAPは、COVID-19標準治療確立に大きく貢献してきた主要な国際アダプティブプラットフォーム試験(APT)の中で、本邦が参加している唯一の国際APTである。2021年9月時点で、世界21カ国から300を超える医療施設が参加し、7000以上のCOVID-19患者が登録されている。臨床試験実施の国際基準であるGCPに準拠し、モニタリング(原文書照合)および監査を実施しており、データの信頼性は非常に高い。 本邦においては、本研究代表者が中心となり2020年初頭からREMAP-CAPを推進してきた。現在2つのドメイン(1. COVID-19専用抗凝固薬、2.人工呼吸器管理)に多数のCOVID-19患者を登録しており、さらに3つのドメイン(3.抗菌薬、4.マクロライド投与期間、5.eritoran を含む免疫調整薬)に患者登録の準備が進んでいる。今年度中に本邦のみで約30医療機関が参加し、4ヶ月で1000症例を越えるCOVID-19患者を登録するポテンシャルがある大規模臨床研究ネットワークに成長してきた。本邦におけるREMAP-CAPの基盤は、1年半に及び構築され、現在は研究目的に記載したパンデミックにおける5つのドメインに関与している。更に、2つのCOVID-19に関連したドメインを追加するため、参加施設を増やす予定である。2021年7月に国内で実際の症例登録を始めて以降、9月6日現在、REMAP-CAP症例登録数は、50 症例に及び、急速に登録症例数が増加する見込みである。 今後発生しうる新興再興感染症の流行に際して迅速に臨床データと検体の集約を可能とし、本邦発の迅速なエビデンス創出につなげることを目的としている。