臨床試験はInformed Consentが文書で的確に行われることから始まる。かつて患者さんへの情報提供資料としてこの文書同意の説明資料が重要であった。専門性の高い言葉を使わずにわかりやすい言葉を使うこと、結果のみを主張し誇張のない薬剤の説明を行うことを徹底することが大きなテーマであった。この議論には臨床試験にて患者に寄り添うClinical Research Coordinator(CRC)の役割は重要で、治験依頼者としてCRCの方々から患者説明のノウハウも含め、わかりやすい説明文書の書き方を学んだものである。 今では、臨床試験に限らず、会社が薬剤情報の提供を社会に発信する機会が増えてきている。会社のHome Pageでは新薬の現状がすぐにわかるようになっており、規制としてClinical Trial.comなどへの実施中の臨床試験の開示を要求されている。Transparencyの観点からこのような活動は会社にとって重要である。このことより、患者や患者団体は、どの会社がどういう薬剤を開発して、どういう結果が出ているかを容易に入手することができるようになった。一方で、社会ではメールやラインというようなすぐに拡散するシステムもあり、正確な情報が的確に伝わっているか?疑問が残る場合も見受けられる。コロナ禍におけるワクチンのよくない噂などがよい例であろう。わかりやすい情報提供の説明を会社が社会に対して開催したり、Patient Accessの部署を作り、対応を強化している。経営から臨床試験の担当者までが同じメッセージを伝えることがたいへん重要である。製薬企業として、情報の受け取り手である患者さんに直接アクセスすることは難しい状況の中、患者の立場から一番望まれている情報をいかにFairに提供できるかは、重要かつ重大な責務である。このセッションを通じて患者から望まれる情報提供方法、内容、将来にむけて製薬企業として取り組むことなど議論できれば幸いである。