2002年に国際禁制学会によって尿意切迫感(urgency)を主症状とする症候群を過活動膀胱(OAB)と定義されて以来、さまざまなOAB治療薬が開発されてきた。それまではオキシブチニンおよびプロピベリンの二剤のみであったものが、2006年にソリフェナシンおよびトルテロジン、2007年にイミダフェナシン、2013年にフェソテロジンまたオキシブチニンの貼付剤が発売されている。これまでにこれらの抗コリン薬によって多大な恩恵を得られた患者も少なくないと考える。
しかし抗コリン薬の有効性とは裏腹に、抗コリン薬特有の有害事象による問題も指摘されてきた。口内乾燥や便秘、または排尿障害による残尿量増加などである。これらの有害事象のために服薬継続が困難であった患者の存在も否定できない。また超高齢社会の日本においては認知機能に影響を与えうる抗コリン負荷の軽減が昨今取りざたされており、高齢者への抗コリン薬投与を避ける傾向にある。そのような中、2011年に新しい作用機序のOAB治療薬であるβ3作動薬が発売された。いままでの抗コリン薬特有の有害事象が少なく認知機能に与える影響も少ないと報告されている。現状はOAB治療薬として抗コリン薬とβ3作動薬が使用されているが、その使用に関して棲み分けが必要であると思われる。
本シンポジウムでは、抗コリン薬の有効性と限界を示す基礎および臨床研究のデータを共有したい。