新型コロナウイルスワクチンの承認審査において特に関心が高いのは、有効性評価のあり方である。新型コロナウイルスワクチンの有効性評価については、COVID-19の病態の理解や、免疫によるSARS-CoV-2に対する防御効果に関するエビデンスの急速な蓄積、そして社会情勢の大幅な変化によって、わずか1年の間に多くの変更がなされた。本発表では、医薬品医療機器総合機構が公表した「新型コロナウイルスワクチンの評価の考え方」に基づき、その背景にある社会情勢や科学的知見を踏まえてその変遷を辿り、現在の最新のワクチンの有効性評価のあり方を解説するとともに、今後、何が臨床評価の論点となるか展望する。