【目的】今回実施した観察日誌を用いた研究について、支援方法の有効性を検討する。【方法】令和2年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進事業)新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)に参加し、当院の非接種者で研究への参加に同意した300人を対象として、問診票および健康観察日誌の配布、回収、データ入力等を行った。問診票、健康観察日誌には、体温、全身症状等を記載してもらい、問診票は接種当日に回収、健康観察日誌(接種後1~8日:日誌1、接種後9、10日:日誌2の2部に分けて記載)は回収ボックスで記載後に回収した。提出依頼手段は、メール、書面、口頭で行い、提出依頼対象は個人または部署に対して行った。【結果・考察】接種1回目の日誌1の回収率は98.3%、日誌2は92.3%、接種2回目の日誌1は96.7%、日誌2は90.3%であった。接種2回目の時に接種1回目の日誌未提出者へ口頭で依頼、さらに、その後、各部署単位または個人単位で、書面またはメール等で提出を依頼し続けた。その結果、最終的に健康観察日誌を100%回収することができた。今回は研究対象が医療従事者であったため、研究に対する関心が高く、そのことが高い回収率につながったと考えられる。また、未提出者へ依頼する際に、個人を対象または部署を対象として行ったところ、連絡系統が明確な部署に関しては、部署単位での依頼が有効である傾向が示された。【結論】今回、観察日誌等を用いた研究を実施し、研究対象の属性がデータ回収に影響すること、属性に応じた回収方法を用いることが重要であることが示唆された。