広島大学は2019年にAMED「次世代医療機器開発連携拠点整備等事業」に採択され、国際競争力を飛躍的に高める普遍的医療機器開発の拠点となるべく体制整備を行ってきた。医薬品開発と比較して、医療機器開発においてはより良い製品開発や改良を行うためにはニーズ収集や使用感の調査など臨床現場とより綿密な連携が必要である。広島大学病院において臨床現場観察が行えるように規則を制定したものの、2019年末より続くコロナ禍により医療従事者であっても学外者の立ち入りが制限される事態が続いており、まだ終息が見えていない。そこで、本拠点における臨床現場観察に代わるものとして(1)模擬病棟・診察室を活用した臨床現場の再現、(2)ニーズ紹介動画の作成、(3)実臨床現場の映像撮影といった取り組みを行ってきた。個人情報保護や企業秘密に配慮した上で、これら本拠点の新しい取り組みについて報告する。