本邦での医薬品の臨床開発計画は、外国で得られた臨床データを如何に積極的に活用するか問う言う点において、大きく変わってきた。1985年以前は、海外の臨床試験成績の有無に関わらず、国内において臨床開発が行われていた。1998年ICH-E5ガイドライン「Ethnic Factors in the Acceptability of Foreign Clinical data」(「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因について」)が発令され、薬物動態試験(PK-PD試験)とブリッジング試験と呼ばれる臨床試験行うことで海外試験成績を利用することが可能になった。2007年「国際共同治験に関する基本的考え方」が公布され、従来の臨床試験におけるフェーズ(第I相から第II相)の概念が薄れ、国際的に同時に臨床開発を進めることが多くなり(国際共同治験)、国内臨床開発戦略は大転換期を迎えた。2017年ICH-E17ガイドライン「GENERAL PRINCIPLES FOR PLANNING AND DESIGN OF MULTI-REGIONAL CLINICAL TRIALS」(「国際共同治験の計画及びデザインに関する一般原則に関するガイド ラインについて」)が合意され、また国内臨床開発のあり方が変わろうとしている。本シンポジウムでは、これらの歴史を振り返りながら新薬の国内臨床開発について話題提供する。