「デジタルヘルス」という用語が日本国内でも使用されるようになり10年近く経った。2013年に薬事法から医薬品医療機器等法に改正になった際、単体プログラムでも医療機器となる製品群が設けられ、臨床領域で活用される製品の開発加速が期待されている。AIの活用などにより診断領域でのデジタルヘルス製品が先行して社会実装されているが、 その後を追う形で注目領域となっているのはDigital Therapeutics(デジタル療法)と言われる分野である。海外では、2010年代前半から糖尿病用治療アプリが規制当局で認可されるなど既に複数の製品が活用されているが、2020年に本邦においても初めてデジタル療法デバイスが薬事承認・保険償還され、名実ともに社会実装が始まっている。今回は、デジタル療法に関する国内外の動向について紹介する。