【目的】細胞組織加工製品は、異常細胞の混入や性質変化のリスクがあるため、高精度な異常細胞検出法が必要である。本研究では、がん細胞を添加した正常細胞試料について細胞画像のパターン認識を解析することで、異常細胞の検出に関する検討をおこなった。
【方法】正常細胞(MRC-5)を用いて培養密度および新規ポリマーLA717濃度の検討を行った。培養後1,4日目に顕微鏡で観察し、撮像を行った。また、正常細胞中にがん細胞(HeLa-GFP)を混在させて細胞の挙動を観察した。
【結果】本研究では、人工的にがん細胞を混入させて4日間細胞培養した細胞を認識する予測モデルを構築する研究を行った。培養細胞を撮影して得られた画像のデータセットを前期と後期に分割して解析した結果、後期の画像でディープラーニング(DL)効率が向上することが明らかになった。 また、DLハイパーパラメータ(バッチサイズと学習率)を最適化することで、予測能がさらに向上した。
【考察】DLによる細胞予測システムが、細胞組織加工製品の品質に関する迅速で正確な分析を可能にし、これまで治療できなかった疾患や慢性疾患に対する再生医療への応用が可能になると考えられる。