茶カテキンには抗酸化作用など様々な作用が考えられる。また、中枢神経系に作用することも報告されている。そこで、今研究ではバーンズ迷路試験を用い、スコポラミン誘発性記憶障害に対する静岡県島田市産抹茶の効果を検討した。
5週齢のICR雄性マウスにバーンズ迷路を用いて1日の順化後、3日間の反復学習を行い、その翌日より①Cont:生理食塩水、②Scop:スコポラミン(5mg/kg/day,i.p.)、③Low:スコポラミン+抹茶(0.23g/kg/day,p.o.)、④High:スコポラミン+抹茶(0.46g/kg/day,p.o.)を3週間投与した。3週間投与後probe試験を行いスコポラミンの記憶障害に対する抹茶の抑制効果について検討を行った。
probe試験において、Cont群に比較し、Scop群では、覗くまでの時間の延長、エラー数の増加、滞在時間が減少し記憶障害が認められた。しかしながら、その記憶障害は、抹茶Low群、High群のどちらの投与においても、有意に抑制した。以上の結果より、島田産抹茶はスコポラミン誘発性記憶障害に対して改善作用を示すことが明らかとなった。