最近,心不全治療薬としてアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI),SGLT-2阻害薬のエビデンスが報告され,臨床にも用いられている.また,直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)はワーファリンに代わって広く用いられるようになって久しい.これらの薬剤のエビデンスは強固であるが,高齢者においては薬物代謝が低下していたり,臓器予備能が低下していたりすることから副作用が生じやすい.本講演ではこれらの循環器作動薬を高齢者に使用する場合の注意点について,実例を交えながら明らかにしていきたい.