【目的】刺激性下剤センナの長期間連用では下部消化管運動低下に至ることが臨床上問題となっている。そこで、本検討ではマウスに刺激性下剤成分センノシドAを連続投与することで慢性結腸通過遅延マウスモデルを作製し、大建中湯の作用を検討した。
【方法】5週齢のddYマウスにセンノシドAを28日間継続投与し、ビーズ法で結腸運動を測定した。遠位直腸組織の凍結切片における免疫組織化学的検討を行い、TRPV1、サブスタンスP、小胞アセチルコリントランスポーター (VAChT)の免疫活性を解析した。
【結果】センノシドA誘発結腸通過遅延モデルにおいてビーズ排出時間は正常マウスと比較して約4倍遅延した。また、TRPV1、サブスタンスP、VAChT発現神経は顕著に減少した。この慢性結腸通過遅延モデルにおいて、大建中湯を14日間連続投与すると結腸運動の遅延はほぼ完全に回復し、神経線維数の減少も中程度に回復した。
【考察】センノシドA投与を長期投与することで慢性結腸通過遅延マウスモデルの作製を確立した。その結腸組織ではコリン作動性神経系および一次求心性神経系が減少していることが明らかとなった。この疾患における下部消化管運動低下には大建中湯が有用であることを見出した。