Author:〇辻上 弘1、辻上 博美1,2
Affiliation:1丘ノ上歯科、2メンテナンス科
Abstract:キーワート:慢性歯周炎,病的歯の移動,ストレス
【症例概要】初診時、患者は58歳男性で2年前頃より上顎右側中切歯に動揺があり、他院にて治療を受けていたが改善せず、歯の移動、ブラッシング時出血とも顕著になり不安をおぼえ2000年に神奈川歯科大学付属病院へ来院した。全身的既往歴は高血圧(仕事場160~180mmHg,医院130mmHg)にてアダラート服用、その他、十二指腸潰瘍、胃痛などがある。
【検査所見】全顎的に5mm以上の歯周ポケットと動揺および線維性歯肉増殖が認められた。11,31また17,27,37,47には7mmを超える深い歯周ポケットが存在し、M3の動揺が認められた。軽度の開口障害と両側咬筋の肥厚が認められた。
【診断】広汎型慢性歯周炎(ステージⅣグレードC)、咬合性外傷
【治療方針】歯周基本治療、ブラキシズムの対応、咬合治療(矯正的歯の移動を含む)、歯周ポケット改善、咀嚼機能の回復と維持。
【治療経過】ブラキシズム抑制の意識付け、ナイトガード、歯周基本治療(TBI,SC,SRP)、咬合調整後も27に深いポケット残存、急発が頻発したため抜歯。5mm以上歯周ポケット残存部に歯周ポケット掻爬術、37、48埋伏歯を抜歯した。11の位置異常回復を確認後、11-12の暫間固定後シーネタイプ固定装置を作成しSPTに移行した。1年後、17抜歯、つづいて47抜歯。最後臼歯に対するプラークコントロールさらにクレンチングが改善、11-12の暫間固定を除去し、メインテナンスに移行した。
【考察・まとめ】本患者は歯肉増殖や職場でのクレンチングなどにより咬合性外傷が増悪しやすい状態であったと考えられる。歯周基本治療後に歯肉増殖と炎症による腫脹が改善、27抜歯後11位置異常に改善傾向が認められたが、支持骨量の少ない最後臼歯にかかる過大な咬合力はコントロールが難しく、2次性咬合性外傷との共同破壊に対応しきれなかったものと考えられる。咬合干渉や悪習癖などを考慮した歯周治療の難しさを痛感する症例であった。
[P-29] 歯の病的移動を伴う慢性歯周炎患者の20年治療経過
Treatment and follow-up for 20 years of a chronic periodontitis patient with pathologic tooth migration
臨床研究 ①1+
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