[3-P1-P87] 耳下腺腺房細胞におけるHaloTag融合分泌タンパク質の選別輸送効率の測定

Author: 〇吉垣 純子、横山 愛、加藤 治
Affiliation: 日大 松戸歯 生理
Abstract: 【目的】唾液腺における分泌タンパク質の輸送経路として,分泌顆粒への貯留を経由する調節性経路と,合成後直ちに小胞で分泌される構成性経路が存在する。分泌タンパク質は,ゴルジ装置において選別され2つの経路に振り分けられていると予想される。我々はこれまで, HaloTagをレポータータンパク質として用い,耳下腺腺房細胞における細胞内輸送の解析を行ってきた。HaloTagは細胞膜透過性の蛍光リガンドを添加することによって生細胞内でラベルすることができるため,合成してから時間が経過したタンパク質と合成直後のタンパク質を異なる蛍光色素でラベルすることができる。本研究では,唾液タンパク質であるシスタチンD(Cst5)およびParotid secretory protein (Psp),血漿タンパク質としてエリスロポエチン(Epo)のHaloTag融合タンパク質を作成し解析を行った。【方法】耳下腺初代培養細胞に遺伝子導入し,44時間後に細胞をTMRリガンドでラベルした。余分のリガンドを除去後,0-8時間培養し,培地および細胞を回収した。回収後,培地および細胞をAlexaFluor 660リガンドでラベルし,電気泳動後,2つのリガンドの蛍光強度を測定した。 【結果】AlexaFluor 660ラベルされたタンパク質の細胞内貯留量と培地への分泌量を比較したところ,Psp,Cst5,Epoの順に細胞内貯留量が高く,新規に合成されたタンパク質が分泌顆粒内に効率よく貯蔵されていることが予想された。【考察】Pspは内在性唾液タンパク質の中でも,特に構成性経路での分泌量が少ないこと,また,Epoはin vivo実験において,血漿側,すなわち構成性に分泌されることが報告されている。したがって,HaloTag融合タンパク質を利用した今回の計測が,vivoにおける選別輸送効率を反映していると考えられる。

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