[3-P1-P74] S-PRGフィラー溶出液がTNF-α刺激ヒト歯肉線維芽細胞のMMP分泌に及ぼす影響

Author: 〇井上 博、毛 丹、合田 征司
Affiliation: 大歯大 生理
Abstract: “S-PRG(surface reaction-type pre-reacted glass-ionomer)フィラーは,6種類のイオン( F, Na, Al, B, Sr, Si )徐放能を有する齲蝕抑制効果の高い材料として知られている.今回我々は,S-PRGフィラー溶出液がTNF-α刺激したヒト歯肉線維芽細胞 (HGF) のMatrix metalloproteinase (MMP)-1とMMP-3 産生に及ぼす影響について検討した.【方法・結果】S-PRGフィラーをMEM-αに懸濁させ上清をろ過して作製した培養液をS-PRGフィラー溶出液とした.1) S-PRGをMEM-αで希釈した溶液を作製し10% FBSを加えて細胞増殖能を検討した。その結果、1/100以上に希釈した溶液においては対照群と同様の細胞増殖能を示した。2)TNF-α刺激したHGFのMMP-1とMMP-3分泌に対するS-PRGフィラー溶出液の影響について検討した.TNF-α刺激により著明に増加したMMP-1およびMMP-3の分泌は,TNF-αとS-PRGフィラー溶出液の共刺激により抑制された.3) TNF-α刺激したHGFに希釈したS-PRGフィラー溶出液を加え,ウエスタンブロッティングによりERKについてリン酸化のタイムコースを検討した.その結果,TNF-α単独刺激およびTNF-αとS-PRGフィラー溶出液の共刺激によるERKのリン酸化は,15分と30分に認められ、そのピークは共に15分であった.TNF-α刺激とS-PRGフィラー溶出液の共刺激によるERKのリン酸化はTNF-α単独刺激より僅かに増強していた.【考察】以上の結果からTNF-α刺激によるHGFのMMP-1およびMMP-3分泌増強に対して,S-PRGフィラー溶出液刺激は抑制性に働く可能性が示唆された.また,その作用のメカニズムにはERKのリン酸化が関与している可能性が示唆された.”

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