第29回HAB研究機構学術年会

ご挨拶


第29回HAB研究機構学術年会 ベストポスター賞受賞者
第29回HAB研究機構学術年会のベストポスター賞は、以下の2件が選考されました。
受賞題名、報告者名(筆頭発表者)、所属は以下の通りです。ベストポスター賞を受賞された皆様、おめでとうございます。

第29回HAB研究機構学術年会
学術年会長 檜杖昌則

1st prize P14
受賞題名:ニューモダリティの受容体介在性細胞輸送評価のための開口型血液脳関門ネットワークモデルの構築
報告者名:松崎 典弥
所属 :大阪大学大学院工学研究科

2nd prize P04
受賞題名:自律神経作用を付加したヒト培養組織の構築とその応用
報告者名:髙山 祐三
所属 :国立研究開発法人産業技術総合研究所

第29回HAB研究機構学術年会
学術年会長 檜杖 昌則
ファイザーR&D 合同会社



 第29回学術年会では、Microphysiological System(MPS)を用いた創薬研究・医薬品安全性評価の現状と展望を主題として開催いたします。MPS は、細胞を用いる in vitro の試験系において、スフェロイドやオルガノイドといった3次元構造を有する細胞系の利用や、外部環境として血流などのシェアストレスといった生理的な環境を与えることにより生体内の状態の再現性をより高め、さらに、細胞間相互作用などの検討も可能であるなど、従来のin vitro 試験に比べ、より適切に生理学的な反応を検討することができると考えられています。また、医薬品等の研究開発では、実験動物とヒトとの種差が一つの大きなハードルとして存在していますが、ヒト試料を用いたMPS での検討はよりヒトを模した環境での薬理作用および毒作用の機序の解明に役立つことが期待されています。このように、MPSを用いた研究は創薬プロセスに大きな変革をもたらすツールとなることが期待され、近年急速に発展してきています。HAB 研究機構は創薬研究におけるヒト組織の利用に貢献してきておりますが、組織そのもの利用に加えて、ヒト組織から採取したプライマリー細胞などをMPS で活用することなどによりさらなる創薬研究の革新が期待され、今回の学術年会ではMPSを主題として取り上げました。
 学術年会の最初のセッションでは、MPS のこれまでの進展について、総論的な内容で学産官の連携やその中での標準化、レギュラトリー関連の内容も共有し、それに続く第二セッションでは、創薬研究にニーズの高い臓器組織についての大学や公的研究機関等のアカデミアにおけるMPS の最新の研究について、さらに第三セッションでは企業における創薬への活用についての具体的な取り組みやユーザー目線での議論に加え、ビジネスインパクトについても考えたいと思います。そして、最後のセッションでは、各セッションでの議論を踏まえて課題と展望についてパネルディスカッション形式での討論を行います。また、アカデミア、海外の製薬企業の先生方の特別講演も企画しております。

 前回および前々回の学術年会はコロナ禍のためオンライン形式での開催となりましたが,本年の学術年会では,昭和大学上條記念館でのオンサイト会場とインターネット上のオンライン会場を併用したハイブリッド形式での開催を予定しています。オンサイトおよびオンラインの両会場で沢山の議論を交わすことができることを期待し,組織委員の先生と準備を進めております。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。




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