[1-P1-PM01] マウス舌下神経軸索の伸長誘導に関わる遺伝子群の網羅的解析

Author: 〇埴 太宥1、田谷 雄二1、堀江 哲郎2、佐々木 康成3、川本 沙也華1、工藤 朝雄1、佐藤 かおり1、添野 雄一1
Affiliation: 1日歯大 生命歯 病理、2日歯大 生命歯 衛生、3神奈川こども医療セ 臨床研 歯科
Abstract: “【目的】舌運動を司る舌下神経の軸索は後頭神経核から伸長して遠隔の舌原基まで到達する。本研究では、マウス舌下神経の軸索伸長誘導に働く分子制御機構について検討した。【方法】ICRマウス胎仔(胎生9.5, 11.5, 14.5日)の舌原基(下顎突起の正中部)と側方部の組織を採取し、神経軸索ガイダンスに関わる遺伝子に着目して、遺伝子発現の網羅的な解析を行った。遺伝子発現プロファイリングでは、DNAマイクロアレイ分析に基づいて、試料間の発現差、Gene Ontology(GO)、Venn図、ROKU法、Ingenuity Pathway Analysis(IPA)の解析を行い、神経軸索ガイダンスに働く遺伝子の絞り込みを試みた。遺伝子の発現変動はリアルタイムPCRにより検証した。【結果と考察】27309個の遺伝子を対象にしたDNAマイクロアレイ分析により、舌下神経軸索が舌原基に到達直前の胎生11.5日の下顎突起正中部(外側舌隆起)を軸として他のステージ/部位と比較すると、各試料間で発現変動する遺伝子数はいずれも1250個程度であった。さらに、これらの遺伝子群についてVenn図解析の併用により、胎生11.5日の外側舌隆起に特異的な遺伝子として43個が列挙できた。一方、ROKU法による解析から胎生11.5日の外側舌隆起で特異的に発現変動する遺伝子は2749個が求められ、GO解析に基づいて得られたbiological processの“axon guidance”に含まれる遺伝子246個と照らし合わせると、44個の遺伝子が列挙できた。2つの方法で列挙された遺伝子群それぞれのIPA解析から、セマフォリンシグナルに属する遺伝子が舌下神経の軸索の伸長誘導に関わっていることが示唆された。
本研究はJSPS科研費#18K09530 & #21K09822の助成を受けた。”

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